しじでんえんざっこう四時田園雑興
梅子金黄杏子肥
麦花雪白菜花稀
日長籬落無人過
惟有蜻蜓蛺蝶飛
麦花雪白菜花稀
日長籬落無人過
惟有蜻蜓蛺蝶飛
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
梅子は金黄 杏子は肥え
麦花は雪白 菜花は稀なり
日長くして籬落人の過ぐる無く
惟だ蜻蜓蛺蝶の飛ぶ有り
現代語訳
梅の実は黄金色、杏の実はふっくら。麦の花は雪のように白く、菜の花はもうまばら。日が長く、垣根のあたりを通る人もいない。ただ蜻蛉と蝶が飛びまわる。
原文と書き下し文の対照
梅子金黄杏子肥 ― 梅子は金黄 杏子は肥え
麦花雪白菜花稀 ― 麦花は雪白 菜花は稀なり
日長籬落無人過 ― 日長くして籬落人の過ぐる無く
惟有蜻蜓蛺蝶飛 ― 惟だ蜻蜓蛺蝶の飛ぶ有り
鑑賞
梅の実は黄金色、杏の実はふっくら。日常の一コマが、そのまま詩になっています。
日本で親しまれる理由
「惟有蜻蜓蛺蝶飛」。黄金の梅、白い麦の花。蜻蛉と蝶の昼。
語句
- 籬落
- 「籬落」——詩の情景を支える語
- 蜻蜓
- 「蜻蜓」——詩の情景を支える語
- 蛺蝶
- 「蛺蝶」——詩の情景を支える語
作者
范成大の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
范成大(南宋)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。