せみ蝉
垂緌飲清露
流響出疎桐
居高声自遠
非是藉秋風
流響出疎桐
居高声自遠
非是藉秋風
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
緌を垂れて清露を飲み
流響 疎桐より出づ
高きに居れば声自づから遠し
是れ秋風に藉るに非ず
現代語訳
冠のひものような口先を垂れて清らかな露を飲み、声は葉のまばらな桐から流れ出る。高い所にいるから、声はおのずと遠くまで届く——秋風の力を借りているわけではない。
原文と書き下し文の対照
垂緌飲清露 ― 緌を垂れて清露を飲み
流響出疎桐 ― 流響 疎桐より出づ
居高声自遠 ― 高きに居れば声自づから遠し
非是藉秋風 ― 是れ秋風に藉るに非ず
鑑賞
蝉は高いところにいるから声が遠くまで届くのであって、秋風のせいではない——才能があれば、環境に頼らなくても響く、という励ましにも読まれてきました。
日本で親しまれる理由
「居高声自遠、非是藉秋風」
語句
- 垂緌
- 冠の紐。蝉の触角にたとえる
- 居高
- 高い所にいること
作者
虞世南の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
虞世南の詠蝉。清廉・自恃の寓意で知られる。