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がくをのぞむ望岳

杜甫|盛唐|五言古詩

岱宗夫如何
斉魯青未了
造化鍾神秀
陰陽割昏暁
盪胸生曽雲
決眥入帰鳥
会当凌絶頂
一覧衆山小
詩

※日本で一般に読まれている本文によります。

書き下し文

岱宗たいそう夫かれ如何

斉魯 青未だ了おわず

造化 神秀を鍾あつめ

陰陽 昏暁を割く

胸を盪うごかして曽雲を生じ

眥まなじりを決して帰鳥を入る

会必ず当に絶頂に凌しのぐべく

一たび覧れば衆山小さし

現代語訳

泰山とは、いったいどれほどの山か。斉と魯にまたがり、青い山並みがどこまでも尽きない。天地の精気がこの山に集まり、陰陽が朝と晩を分けている。胸を揺する層雲が生まれ、目を見開いて帰る鳥を追う。いつか必ず絶頂に登り、まわりの山々を小さく見下ろしてみせよう。

原文と書き下し文の対照

岱宗夫如何 ― 岱宗夫れ如何
斉魯青未了 ― 斉魯 青未だ了わず
造化鍾神秀 ― 造化 神秀を鍾め
陰陽割昏暁 ― 陰陽 昏暁を割く
盪胸生曽雲 ― 胸を盪かして曽雲を生じ
決眥入帰鳥 ― 眥を決して帰鳥を入る
会当凌絶頂 ― 会当に絶頂に凌ぐべく
一覧衆山小 ― 一たび覧れば衆山小さし

鑑賞

岱宗はいかに——と問い、雲が生まれ、鳥が帰るさまを見る。いつか絶頂に立ち、衆山を小さく見下ろしたい。若い杜甫の志が、岳そのものの高さに重なります。

日本で親しまれる理由

「会当凌絶頂、一覧衆山小」。いずれ絶頂に立ち、群山を小さく見下ろす

語句

岱宗
泰山の尊称。
斉魯
泰山の北が斉、南が魯。
決眥
目を見開く。

作者

杜甫の生涯と作品一覧は作者ページへ。

作られた背景

杜甫二十五歳ごろの作とされる「望岳」。泰山を仰ぎ見ての志が、後の詩聖の出発点のように読まれる。

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