やちょく夜直
金炉香尽漏声残
翦翦軽風陣陣寒
春色悩人眠不得
月移花影上欄干
翦翦軽風陣陣寒
春色悩人眠不得
月移花影上欄干
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
金炉 香尽きて漏声残す
翦翦たる軽風 陣陣として寒し
春色 人を悩まして眠り得ず
月は花影を移して欄干に上らしむ
現代語訳
金の香炉の香は燃え尽き、水時計の音もかすか。そよ風が吹くたびに少し肌寒い。春の景色に心がさわいで眠れない。月が花の影を動かして、欄干の上へ這いのぼらせている。
原文と書き下し文の対照
金炉香尽漏声残 ― 金炉 香尽きて漏声残す
翦翦軽風陣陣寒 ― 翦翦たる軽風 陣陣として寒し
春色悩人眠不得 ― 春色 人を悩まして眠り得ず
月移花影上欄干 ― 月は花影を移して欄干に上らしむ
鑑賞
金の香炉の香は燃え尽き、水時計の音もかすか。日常の一コマが、そのまま詩になっています。
日本で親しまれる理由
「月移花影上欄干」。春の夜は、うつくしすぎて眠れない。
語句
- 漏声残
- 「漏声残」——詩の情景を支える語
- 翦翦
- 「翦翦」——詩の情景を支える語
作者
王安石の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
王安石(北宋)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。