うせい雨晴
雨前初見花間蕊
雨後兼無葉裏花
蛺蝶飛来過牆去
却疑春色在隣家
雨後兼無葉裏花
蛺蝶飛来過牆去
却疑春色在隣家
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
雨前 初めて見る 花間の蕊
雨後 兼ねて無し 葉裏の花
蛺蝶 飛び来たりて牆を過ぎて去る
却って疑ふ 春色の隣家に在るかと
現代語訳
雨の前は花の間にしべが見えはじめていたのに、雨のあとは葉かげの花まですっかり散ってしまった。蝶が飛んできては垣根を越えていく。春はお隣の家に行ってしまったのだろうか。
原文と書き下し文の対照
雨前初見花間蕊 ― 雨前 初めて見る 花間の蕊
雨後兼無葉裏花 ― 雨後 兼ねて無し 葉裏の花
蛺蝶飛来過牆去 ― 蛺蝶 飛び来たりて牆を過ぎて去る
却疑春色在隣家 ― 却って疑ふ 春色の隣家に在るかと
鑑賞
雨の前は花の間にしべが見えはじめていたのに、雨のあとは葉かげの花まですっかり散ってしまった。景色の奥に、静かな心情が沈んでいます。
日本で親しまれる理由
「却疑春色在隣家」。春は、蝶を追ってお隣へ遊びに行った。
語句
- 蛺蝶
- 「蛺蝶」——詩の情景を支える語
- 雨前
- 「雨前」——詩の情景を支える語
- 初見
- 「初見」——詩の情景を支える語
作者
王駕の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
王駕(晩唐)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。