りゅうけいぶんにおくる贈劉景文
荷尽已無擎雨蓋
菊残猶有傲霜枝
一年好景君須記
正是橙黄橘緑時
菊残猶有傲霜枝
一年好景君須記
正是橙黄橘緑時
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
荷尽きて已に雨を擎ぐる蓋無く
菊残はれて猶ほ霜に傲る枝有り
一年の好景 君須らく記すべし
正に是れ橙は黄に橘は緑なる時
現代語訳
蓮は尽きて雨を受ける葉の傘もない。菊は残っても霜に傲る枝がある。一年でいちばんよい景色を覚えておけ——橙が黄ばみ、橘が緑の、いまこの時だ。
原文と書き下し文の対照
荷尽已無擎雨蓋 ― 荷尽きて已に雨を擎ぐる蓋無く
菊残猶有傲霜枝 ― 菊残はれて猶ほ霜に傲る枝有り
一年好景君須記 ― 一年の好景 君須らく記すべし
正是橙黄橘緑時 ― 正に是れ橙は黄に橘は緑なる時
鑑賞
蓮は尽きて雨を受ける葉の傘もない。日常の一コマが、そのまま詩になっています。
日本で親しまれる理由
「正是橙黄橘緑時」。一年でいちばんいい景色は、橙黄橘緑のいま。
語句
- 菊残
- 「菊残」——詩の情景を支える語
- 荷尽
- 「荷尽」——詩の情景を支える語
- 已無
- 「已無」——詩の情景を支える語
作者
蘇軾の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
蘇軾(北宋)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。