ろうせいこう隴西行
誓掃匈奴不顧身
五千貂錦喪胡塵
可憐無定河辺骨
猶是春閨夢裏人
五千貂錦喪胡塵
可憐無定河辺骨
猶是春閨夢裏人
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
誓つて匈奴を掃はんとして身を顧みず
五千の貂錦 胡塵に喪ふ
憐れむべし無定河辺の骨
猶ほ是れ春閨夢裏の人
現代語訳
匈奴を討つと誓って身を顧みず進んだ五千の騎——胡地の砂塵のなかに命を落とした。哀れなことだ。無定河のほとりにさらされた骨は、いまも春閨の夢のなかの人なのだから。
原文と書き下し文の対照
誓掃匈奴不顧身 ― 誓つて匈奴を掃はんとして身を顧みず
五千貂錦喪胡塵 ― 五千の貂錦 胡塵に喪ふ
可憐無定河辺骨 ― 憐れむべし無定河辺の骨
猶是春閨夢裏人 ― 猶ほ是れ春閨夢裏の人
鑑賞
戦場の白骨と、夫の帰りを夢見る妻。残酷な現実と切ない夢の対比が胸を打つ、反戦詩の名作です。
日本で親しまれる理由
「可憐無定河辺骨、猶是春閨夢裏人」
語句
- 貂錦
- 貂の毛皮の帽子と錦の服。精鋭の兵
- 胡塵
- 異民族の地の土ぼこり
- 無定河
- 黄河の支流
- 春閨
- 春の寝室。妻
作者
陳陶の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
陳陶は晩唐の詩人。「隴西行」四首の第二首。