こうはんどっぽじんか そのご江畔独歩尋花 其五
黄師塔前江水東
春光懶困倚微風
桃花一簇開無主
可愛深紅愛浅紅
春光懶困倚微風
桃花一簇開無主
可愛深紅愛浅紅
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
黄師塔前 江水東す
春光 懶困して微風に倚る
桃花一簇 開いて主無し
深紅を愛すべきか 浅紅を愛すべきか
現代語訳
黄師塔の前を川は東へ流れる。春の光にけだるくなって、そよ風にもたれる。持ち主のない桃の花がひとかたまり咲いている。濃い紅が好きか、淡い紅が好きか。
原文と書き下し文の対照
黄師塔前江水東 ― 黄師塔前 江水東す
春光懶困倚微風 ― 春光 懶困して微風に倚る
桃花一簇開無主 ― 桃花一簇 開いて主無し
可愛深紅愛浅紅 ― 深紅を愛すべきか 浅紅を愛すべきか
鑑賞
黄師塔の前を川は東へ流れる。日常の一コマが、そのまま詩になっています。
日本で親しまれる理由
「可愛深紅愛浅紅」。濃い紅も、淡い紅も、どちらも愛しい。
語句
- 懶困
- 「懶困」——詩の情景を支える語
- 桃花一簇
- 「桃花一簇」——詩の情景を支える語
作者
杜甫の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
杜甫(盛唐)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。